面白かった。アメリカでホームレスから億万長者になった黒人男性の自伝。
単なるアメリカンドリームではない。お金持ちになることが目的ではない。大切なもの(息子や、自分の夢)を守ったり手に入れたりするためにお金持ちを目指したのだ。そして、彼は自らの努力でそれを手に入れた。だから、この本に多くの人が感動したのだろう。
子ども時代は継父の暴力に悩まされ、青年時代は悪ガキで、決して褒められたものではない。というか、正真正銘の犯罪行為だってやってる。よく考えれば悲惨な境遇なのだけど、その語り口はどこか軽妙で常に前向きな感じがする。それは著者の生来の性格なのかもしれない。
彼を支えたのは母の「あなただって、望めば、いつか100万ドル稼げるのよ」という一言だったという。しかし、同じ言葉をかけられても誰でもが、それを糧に彼のように成功できるとは限らない。その言葉を最大限に信じて、つまり自分を信じて常に努力を惜しまず目標に向かってコツコツと頑張った結果、彼は100 万ドル分以上の「幸せ」を手に入れたのだ。
彼は、特別人よりも運がよかった訳ではない。自らの努力で今の地位を築いた。そこが素晴らしい。そして、人生にとってなにが大切かということをよくわかっている。
大切なのはお金でなくて、家族や、夢。彼は謙虚で、周りの人の助けに素直に感謝を捧げる。決して、自分を等身大以上に見せようとはしない。その代わりに自分を卑下して媚びたりもしない。そういうところはとても好感を持てる。
人の為に何かをしたい、という気持ちも彼を動かす原動力らしい。これは生来のものだろうけれど、決して上からものを見るようなことはせず、困っている人と同じ目線になって助けたいという姿勢がいい。見下されるように施されるのは気分が悪いものだ。私もこういう姿勢で人々を助けられるようになりたい。

