子どもの頃、映画「典子は、今」を見に行った。名前が同じだったからか、よく覚えている。映画は当時大ヒットだったらしい。
著者はサリドマイドの薬害で産まれながらにして両手が短かった。産まれてすぐに医師と父との話し合いで、短い手についていた指を切断されたらしい。その判断がどういう意図でされたのか、よくわからないのだけど、ともかく、完全に両手が使えないために、他の人が手ですることを足を使ってできるようになった。
映画の中で、足でご飯を食べているシーンなどがあったような記憶がある。最後は一人旅をして、海で泳ぐのだ。あまり記憶は定かではないのだけど、先日、テレビで少し特集していたのを見て、そういえばそうだった、と思い出した。
この本では、当時の撮影の様子、そのときや今の気持ちが綴られている。
のり子さんは、とても人間性豊かで、懐の深い人だと思う。両手がないということで脚光を浴びたけれど、数多くいるサリドマイド児のなかで、彼女が注目されたというのは、その性格にも起因しているのだろう。生きることに前向きで、障害をもろともしない。ご本人のなかには私などにはわからない葛藤もあるだろうけれど、その溌剌とした生き様に勇気づけられた。 |