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戦争の狂気・人体実験◆『悪魔の飽食』 [2005年10月23日(日)]
悪魔の飽食 新版
森村 誠一(著)
角川書店
¥ 567
[文庫] 15cm , 311P
1983-01 / ISBN:4041365651

戦争中に日本軍が中国大陸、満州で行った人体実験について関係者の証言をまとめたルポルタージュ。

捕虜に対して行われた残虐な人体実験の描写はおぞましい。それを指揮していたのは本来、人命を守るべき医者や研究者だった。捕虜はもはや人ではなく、単なる実験道具として利用された。

そして、そこで得られたデータは戦後、アメリカに渡ったらしい。アメリカはこのデータと交換に、この実験に関わった日本軍幹部の罪を問わなかった。

戦後、この実験に関わった医者や研究者は、このデータを元に高い地位までのぼりつめた人もいるらしい。そうかといえば、罪の意識にさいなまれてひっそりと暮らしている人もいる。データが多少なりとも現在の医療の発展を助けたことは間違いないかもしれない。けれど、こんな犠牲の上に成り立っている医療というのは正しいのだろうか。

もともとの実験の目的は細菌兵器の開発。医療のためではない。しかし、この研究をしていた人たちは、お国のためという大義名分のもとに彼らなりに必死に研究していたのかもしれない。戦争というのは、非人道的なことを正当化してしまう、おそろしいものだ。

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