直木賞受賞作。前二作の語り手で年老いた山岡百介が明治の若者たちに昔語りを聞かせるという趣向。明治の事件にからめて、百介の不思議な体験を語って聞かせるのだけど、昔話ということで、どこか現実から離れたような、でも百介が体験したという現実味もある。そして、最後のカラクリは若者たちには語られず、読者だけに明かされる。
不思議な出来事も実は御行の又一たちのカラクリ。大がかりな仕掛けで結果的には万事丸く収まる。理屈で説明できないような出来事を不思議な出来事として受け入れてしまえるのは江戸時代だからなのか。でも今だって人は神秘的なものに憧れているから、変な宗教とかにはまっちゃう人がいるんだろうな。そして、はまらなくても、こういう小説が人気になるくらい、不思議に飢えてる現代人がいるんだろうな。私もそのひとり。でも全く説明できないというのはなにやら怪しい。だから最後は、「全部仕掛けでした。」と言ってくれる京極流が好き。 |