ホームレスからハーバード大学生になった著者の手記。帯には「9歳でホームレスになった少女は、名門ハーバード大生になった。自分を探す少女の過酷な旅の記憶。」と書いてあるのだけど、主観的に書いてあるせいか、悲壮さはなかった。
日本でホームレスと言うと、野宿者のイメージがあるのだけど、アメリカではホームレス用の宿泊施設がたくさんあるようで、私がイメージするホームレス像とはかけ離れている。住所が定まっていないという意味でホームレスなのだけど、身の回りの荷物を持って夜は宿泊施設に泊まり、食料もそこで配給されるのだ。
この著者の母親がユニークな考えの持ち主のようで、自らホームレス生活をしているのだけど、娘への愛情はたっぷり。母娘の絆というのがとても深くて、精神面ではとても恵まれていたのだと思える。
実はこの本、期待はずれで思ったより面白いと思えなかった。というのは、著者が精神的にとても幸せそうで、しかも底辺からのし上がってやるというようなハングリー精神でハーバードに入ったワケでもなく、私たちとそれほどの違いはないように思えてしまったから。人の不幸を喜ぶワケではないけど、この本からあまり教訓めいたものを感じなかったし、この著者が他の大多数の人に比べてことさら不幸だとも思えなかった。
金銭面では大変だったかもしれないけれど、母の愛に恵まれ、友人にも恵まれ、健康で、しかも現在では大学院まで行っている。終わりよければすべてよし。なぁんだ、というのが正直な感想。
本人の手記ではなく、他の人が取材して書いたノンフィクションだったらもう少し面白かったかもしれない。アメリカと日本のホームレス事情の違いもなんだかよくわからなかった。 |