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生と死を見つめる写真家の視線◆『AILA』 [2005年01月02日(日)]
AILA(アイーラ)―川内倫子写真集
川内 倫子(著)
リトルモア
¥ 3,675
[大型本] 30cm , P
2004-04 / ISBN:4898151167

最近、漠然と、「辛くても、楽しくても、どっちにしても生かされているうちは、生きて行かなきゃいけないんだよなぁ」などと考えていて、それはきっと、自分の病気のこととか、祖母の死とかの影響もあるのだけど、「生と死」というテーマが私のなかで大きな比重を占めている。

以前から、川内倫子さんの写真は、直接的ではなくても、生と死を感じさせるものだった。淡い色合いの美しい写真の中に、ときどき、小動物の死体の写真が混じっていたり。今回の写真集では、その中に「誕生」の瞬間の写真が何枚も混じっている。

誕生の瞬間というのは、晴れやかで、喜びや希望に溢れているというイメージがあるけれど、なぜか、川内さんの写真を見ていたら、そういう気持ちよりも、これから先、世の中でこの子たちはどんな人生を送るんだろう、辛いことも苦しいこともいっぱいあるかもしれないのに、なぜこの世に生まれてきたんだろう、などというちょっと同情するような気持ちになってしまった。

生まれる瞬間、まだ母親の胎内から出てくる途中の赤ちゃんというのは、ちょっと苦しそうな表情だからかもしれない。世の中には楽しいこともいっぱいあるけれど、苦しいこともいっぱいある。でも生まれて来てしまったからには、すべてを受け入れて、一生懸命生きて行かなきゃいけないのだ。

そして、川内さんの写真からは、そんな風に一生懸命生きているものたちをまるごと受け止めて、慈しむような雰囲気が溢れている。辛くても、苦しくても、それでも世界は美しくて素敵だよ、というメッセージが伝わってくるような気がした。

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