江國香織の短編集。単行本「つめたいよるに」(理論社)と「暖かなお皿」(理論社)の二冊分が収録されている。男女の恋愛ものが中心の「暖かなお皿」よりも、「つめたいよるに」の方が好き。
幽霊の父親、少年になった愛犬、頭に花を咲かせる僧。異形のものを描いているのに、それが何気ない。現実の、何気ない日常と同じ目線。表面上は異形でも根底にあるのは人間の感情。それは現実世界と同じなのかも。普通の言葉で言い表せない、人間の感情のやりとりのようなものを、異形のものを通じて表現しているみたい。
読んでいると、子どもになったり、男になったり、女になったり、老人になったり、変幻自在。著者はきっといろいろなモノの気持ちになっているのだろうな。気持ちが、くるくる、くるくると変わって、翻弄されるのだけど、それが妙に心地よかったりする。うーん、これが根強いファンをもつ江國マジックなのかも。 |