夢枕獏の過去10年に発表した短編の作品集。短編集ってあまり読まないんだけど、たまにはいいかな。いろいろなところで発表されたものなので、いろんな風味の作品があって面白い。
作家自身の体験をもとに書かれたものなど、どこまでホントなのかわからないところがまたいい。心霊話ともファンタジーとも取れるような話。変に怖がらせようとかオドロオドロしさを出そうとかしないところが好き。そうなのだから、仕方ない。という語り口。
そうそう、夢枕氏は小田原の出身で、作中にもよく小田原が登場する。小田原は私の生活圏なので、作中に登場するとちょっと嬉しい。ああ、これはあそこのことだとか、地名とか描写でわかるとまた嬉しい。なんかね、その場の空気が実体験として感じられる。小田原は海にも山にも近くて、高台からは相模湾が一望できる。その、小田原な感覚がなんとなく夢枕作品の中から漂ってくると得も言われぬ親近感がわき上がってくるのだった。
台風を止めてしまった異国の呪術師の実話(?)「真言志」。過去と現実が交錯する「もののけ街」。表題の「ものいふ髑髏」と「安義橋の鬼、人をくらふ語」は舞台で語られることを前提に書かれたモノ。舞台も大成功だったようだ。観てみたかった。 |