もっとぶっとんでるのかと思ったらそうでもなかった。いや、登場人物たちがやっていることってのはぶっとんでるんだけど、なんていうのか物語の大きな流れというか文章はしごくまっとう。骨格がしっかりしている感じ。
村上龍の「トパーズ」を思い出した。あれは商売女の話だったけど。
舌にピアスとか入れ墨とか普通の人はやらないようなことをあまり抵抗なくやってしまっているような登場人物たち。だけど、それは普通ではないということをちゃんと認識している。というよりも、普通ではないことをあえてやりたがるのか。普通の人がみんな入れ墨しちゃったらこの人たちはそれに意味を見いださないのかもしれない。
不思議と、こういう話にありがちな退廃的な感じはあまりなかった。主人公はちゃんと未来に向かって歩いていっているような感じがする。なんでかな。人が死んだり、殺したり殺されたりけっこう陰惨なのに。
一見、人に頼って生きているように見えるけれど、いざとなったらちゃんと生きていける力みたいなものを持っているような気がした。
恋人だったアマが死んで、精神的にも肉体的にも衰弱する主人公。なにかと無頓着、無感動なように見えるのに、人が死ぬということに対してそれだけの反応ができるということ、他人に対してそれだけの思い入れがあるということがわかる。そこに希望をみいだせるような気がする。 |