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フィクションの死に憧れる年頃◆『世界の中心で、愛をさけぶ』 [2004年08月29日(日)]
世界の中心で、愛をさけぶ
片山 恭一(著)
小学館
¥ 1,470
[単行本] 19cm x 13cm , 206P
2001-03 / ISBN:4093860726

最初、あらすじのようだと思った。なんだかリアリティがない。登場する祖父なんかまるで現実味がない。なんだろうこの感じ。映画のノベライズを読んでいるみたい。

大ベストセラー。みんな泣くらしい。友人は「この本のいったいどこで泣くんだろうね」って言っていた。やっぱり、白血病で弱っていく恋人と会っているところとか、空港で「助けてください」って叫ぶところとかで泣くんじゃない?

前半はかなりしらけた気分で読んでいたのだけど、後半はちょっぴり盛り上がった。もっと若いときに読んだら泣けたのかもしれない。高校生とか20代前半くらいの人がこういう本を読んで泣くというのは別に悪いことじゃない気がする。すぐ読めちゃうし、何回も読んで泣けばいい。泣くっていうのは精神的にいいことだ。私は大学生のころ、別になんでもないけど泣きたい気分になることがあって、そういうときはアニメの「火垂の墓」を見て泣いた。泣いたあとはすっきりする。

それにしてもさ、未成年が普通に酒飲んでるのね。ダメでしょう。だれか止めようよ。

若いときに好きな人を亡くすっていうのはある意味ロマンチックなことなのかな。死んでいくアキに自分の大事な人の姿を重ねたり、逆にアキのように病気になって死にゆく自分を想像したり。若いからこそ、そこからいちばん遠そうで現実味のないい「死」というものに対する憧れみたいなものがあって、美化された死、フィクションの死に共感するのかもしれない。

そういう意味ではリアリティのなさが逆に読者の心をつかんだのかも。

ドラマや映画では原作をかなり脚色しているみたい。制作者の脚色ごころをかき立てるような内容なのね、きっと。このまま作ったらどうしようもないっていう予感があるのかなぁ。

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