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毎日きもの、奮闘記◆『きもの365日』 [2004年08月24日(火)]
きもの365日
群 ようこ(著)
集英社
¥ 880
[文庫] 15cm x 11cm , 319P
2004-05 / ISBN:4087477002

タイトルの通り、365日きものを着てみようという企画。しかし、もともときもの好きの著者だけど、さすがに毎日きものを着るのは無理だった。できるだけ毎日きもの。だけど大雨の日とか洋服のほうが都合がいい日があるから、そういう日は無理しない。だけどそういう日(きものを着ない日)は「ひと月に一日か二日、あるかないかくらいにしたい」と一月一日に宣言しているにもかかわらず、その目標は早々と崩れ去るのだった。

きものって洋服よりも暖かいと思っていたんだけど、実は意外なところが冷えるらしい。普段は気にしないようなところ。で、著者は体調を崩してやむなく毎日きもの生活を一時中断。一月二月の時点でこれだから先が思いやられる。

その後も紆余曲折ありながら月末は仕事三昧できものどころじゃなかったり、ちょっと飽きてきて(?)、洋服もいいじゃないと言ってみたり。きものきものと言っているのに、突然、いくらきもの好きだからって毎日きものじゃなくたっていいような気がしてきたとか言われてしまうと、なぬ?って思う。わがままだなぁ。

洋服は洋服でいいところがあるし、無理して毎日着ることない。それは同感だけど。毎日きもの着るんだってあんなに気張っていたのに、突然そんなこと言われてもねぇ。まぁ、エッセイストというのはそんなもんなのかもしれない。と変な納得の仕方をしたけど。

しかもこの人、ポリエステルの洗える着物とか、簡単に装着できる半襟とか便利グッズ否定派。最初は半襟くらい自分で縫えって言ってたけど、途中で裁縫の得意でない最近の若い子はジッパーで付ける半襟も仕方ないかもってちょっと軟化。便利グッズは便利なんだからもっと使えばいいのになぁ。

そんな調子なので、毎日きものを着るにはお針子仕事が欠かせない。半襟は自分で襦袢に縫いつける。一二度着れば汚れるし、季節ごとに襦袢は替わるからこれはけっこう大変。私なんか長襦袢は一二枚しか持ってないから、毎日きもの生活となれば、毎日半襟付けに追われそうだけど、著者は長襦袢マニアらしく長襦袢をたくさん持っているらしい。なので、まとめて半襟を付けておくことができる。

著者の目標は自分できものを縫うこと。毎日きもの生活の後半で実際に自分できものをひとつ仕上げているから、たいしたものだと思う。針仕事もまめで、襦袢の裄を直したり、古いきものをリメイクしたり、付け帯自分で作ったりしている。

それにしても、きものってお金がかかる。きものや帯自体も高いし、何度か着れば洗いに出さなきゃいけない。きものをほどかずに丸洗いする生洗いというのもあるけど、一度ほどいて洗う、洗い張りに出して仕立て直したりしたらン万円だ。そのかわり、そのときに寸法直しや裏地の裾回しなどを変えてもらうこともできる。洋服よりも長い年月着ることができることを考えれば、もしかしたら安いのかもしれないけど、やっぱり高いなぁと思う。

ときどきならいいけど、やっぱり毎日着るとなったら、家で洗えるきものとかのほうがいい。きもの本来の良さを楽しむのは天然素材がいいけども。

けっきょく、毎日きもの生活ではなかったけど、一年間ほぼきもの生活の成果はあったらしい。毎週一回の小唄のお稽古にはきもので通って、その甲斐あってきものを着るのが楽になったという。私の着付けの先生も「着付けは慣れよ」って言ってるから、そうなんだろう。あと、コーディネイトもよくなったような気がした。著者のきものコーディネイトって地味だなぁと思っていたんだけど、毎日きもの生活ではあまり気張らずにコーディネイトできるようになったらしく、最後の方ではなんか自然に着こなしててちょっと粋な感じもあっていい。

今は洗えるきものも質がいいし、いろんな種類が出ている。楽にきものを着ようと思えば着ることができる。だけどわざわざ昔ながらのきものにこだわる著者。それはそれでいいのだけど、楽にきものを着ようとしている人がこの本読んだら、きものって大変ーー。って思って退いてしまわないか心配。お針子なんかしなくたって、高いお金使わなくたってきもの楽しんでる人いっぱいいるず。そう考えると、この企画、成功だったのか失敗だったのか。。。ナゾだー。

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