群ようこの『きもの365日』(集英社文庫/集英社)を書店で見かけて気になっていたのだけど、その前にこの本を出していることを知って、先にこっちを読んでみることにした。
著者のお母さんがどうやらきもの好きだったらしい。家庭の事情で持っていたきものを手放してしまったお母さんのために、作家になった娘はきものを買ってあげるのだった。ええ話や…。
しかし、その買い方がものすごい。デパートの外商部できもの物色。大量購入。そして代金は娘の口座から引き落とされる。こんな親いや〜。作家ってそんなにもうかるもんなのかしら。って友人に言ったら「群ようこって一時期すごい流行ったよね〜」。そういえば。これって、その黄金期の頃のことなんだんだろうなぁ。まぁ、いまだって人気作家だけどさ。
お母さんもすごいけど、本人もきもので散財している。この本の帯に「使ったお金で家が建つ」ってコピーがあるけど、ほんと、家くらい建っちゃう。きものって高いもの。きつけ教室に通い始めて、ちゃんとした帯で10万円ってのは安いほうなんだってことがだんだん実感としてわかってきた。最初に聞いたときは「なぬっ?」って感じだったけど、いろいろ見ているうちに、自分で納得したいい物を買うにはそれなりにお金がかかるってことが分かった。
つまり、きものっていうのは工芸品なのだ。職人さんが一生懸命手作業で作るものはやっぱりいい。で、そういうものは高い。だからと言って、こういう品物を安く買いたいと思うのは、買い手側からしたら都合がいいけど、職人さんの仕事の評価を貶めることになって、いい職人さんがいなくなってしまうことにも繋がり兼ねないから、やっぱり高くてもしかたないと思う。いい品物が高いというのはそれを作った人への正当な評価なのだ。
群さんはポリエステル否定派で、紬なんかを買ってるのよね。そりゃあ天然素材のがいいけど、お金のない庶民は洗えるきものでガマンなのよ。洗えるきものなら10万円以下で一揃え買える。
この本には佐藤愛子さんなど著名人との対談も収録されていて面白い。佐藤さんかわいくてちょっとファンになってしまったけれど、本屋で著書を物色したもののあまり読みたいものがなかった。この人、エッセイストだったんだ。小説家なのかと思ってたよ。
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