なにが怖いって、表紙の絵が怖い。平安の姫の首が中に浮いて、ニンマリと笑っている。目は黄色く血走って、口からは牙と赤い舌がチロリと見えている。書店でカバーをかけてもらうんだった…。
しかし、村上豊の味わい深い絵と夢枕獏の美しい文章のコラボレーションが素晴らしい。この絵物語シリーズ、とってもいい。本の作りにこだわってる感じがするのがね、いい。本の大きさは、妙に気張らない手のひらサイズ(新書を正方形にしたくらいの大きさ)。紙は手触りのいいすこし厚みがあって黄みがかっているもの。
話自体は『陰陽師 龍笛ノ巻』(文藝春秋)に収録されているものと同じ。でも、この絵物語版は持っていて損はないのだ。
それにしても。表紙の首が怖いと思っていたら、中に出てくるクライマックスの場面の姫の首はもっと怖かった。夢に出てきそう。鬼の絵とか、罪人たちの首は宙を舞っていてもちっとも怖くないのになぁ。姫の首は怖すぎるよ、村上さん。 |