全編、河合隼雄さんと中沢新一さんの対談で構成されている。河合さんは心理学者だということは知っているけど、中沢さんが何者なのかナゾだった。どうやら宗教学者らしい…。この本には二人のプロフィールが載ってないのよね。
わかりやすい仏教本だというので読んでみたのだけど、やっぱりよくわからなかった。
うちは一応、浄土真宗なのだそうだけど、私も親も宗教とほど遠い生活をしているので、たぶんお坊さんにお世話になるのはお葬式のときくらいだろう。そもそも、葬式のときに困らないように、父親にうちの宗派を聞いて、初めて浄土真宗だと知ったのだった。親鸞が開いたというくらいで、その教えはさっぱり知らない。
イスラム教とキリスト教はどこか似ている感じがする。仏教には惹かれるのだけど、その詳しい内容は知らないのだ。よく考えてみれば、キリスト教というのはある意味とてもわかりやすいのかもしれない。だから、言いたいことはわかる。わかるけど共感はしないのだ。
じゃあ、仏教は? となるとなんとなく好きだけど、どういう宗教なのかと言われるとよくわからなかったりする。
この本の内容の三分の一は「ああ、なるほど」と思った。三分の一は読んでるときはなんとなくわかったけど、読み終わったら「はにゃ?」だった。残りの三分の一はさっぱりわからん。やっぱり仏教の基礎知識があったほうが面白いんだろうな。っていうかその基礎知識を得ようと思って読み始めたんだけど、読む本を間違ったかも。
腑に落ちたのは、仏教は動物とも仲良くしましょうって言っているところ。キリスト教なんかとは大きく違う。仏陀が死ぬときには動物たちがたくさん集まってくるのだ。平等主義っていうか、みんな一緒っていう思想なのね。キリスト教なんかだと絶対的な神っていうのは人々の「上」にいて、「神」対「人間」という構図なのだけど、仏教は人間の中に神様がいる。そういうことを本の中ではなんだかもっと難しい言葉で語ってるんだけど、要するに、神様と人間が対等に向き合ってる。私が仏教に惹かれるのはそういうところなんだ、と思った。
キリストはかなり悲劇的な死に方をするけれど、仏陀は動物たちに囲まれて静かに死を迎える。そういう死に方っていい。なんか幸せ。十字架にかけられたキリスト像を見ると悲痛な気持ちになるけれど、涅槃の像って心が落ち着く。
なんだかね、仏教って攻撃的でないからいいのよね。強引に布教したりしないし。押しつけない。来るものは拒まず、去る者は追わず。違う文化や思想にも正面から対立しないで静かに受け入れて静かにとけ込むような感じがする。
仏教の教えっていうのは「これをしなさい」というのはなくて、「これはしてはいけない」というものの積み重ねなんだそうだ。しなくちゃいけないことの強制はなくて、これはやっちゃだめでしょうっていうのがある。度が過ぎると怒られるって感じかな。なんか自由度が高い気がする。
それにしてもこの本、全部読んでもあんまりよくわからなかったけど、もうちょっと仏教の基礎知識が身に付いたらもう一回読んでみようかな。というか、わかったようでわからないのが仏教なのかもしれない。永遠に分からないままということもありうるような気がしてきた。このつかみ所のない感じはいったいなんなのだ。 |