著者の鏡リュウジさんは、女性誌の占い特集などでよく執筆している方。西洋占星術が専門らしいのだけど、星占いの占い師さんって、もっとシャラシャラした名前の女の人が多いようなイメージがあって、ちょっと異質な感じがしたので名前を覚えてしまった。
この本は鏡さんの自伝的な要素もあって、なかなか面白い。この人、思った通りちょっと占い師ばなれした人だった。占い師というよりも、占いオタクと言った方がいいかも。小学生のころから占星術の本を買い漁って、とうとう国内で出版されている本を読み尽くしてしまい、家族で海外旅行に行った先で洋書の専門書を買ってもらって喜んでいるような、変な子供だったらしい。
高校時代にはユングと占星術の共通性を見い出して大興奮。大学と大学院ではそのままユングを研究していたらしい。心理学と占い。なんだか似ているような、似ていないような。
私自身のことを言えば、昔から、占いを信じてしまうタチで、だからと言ってそれに振り回される訳でもないんだけど、悪い事が書いてあればなんとなく暗い気分になるし、いいことが書いてあればなんだか嬉しいというその程度。高校生くらいまでは特別占いが好きという訳でもなかったのだけど、大学生になって当たる当たらないは別にして、占いっていう存在が面白いなぁと思い始めた。
どちらかというと非科学的で、まさに「当たるも八卦当たらぬも八卦」な占いなのに、どうして世の中の人はこんなに占いが好きなんだろう、と。逆に、当たるか当たらないかわからないところがいいのかもしれない。いいことだけ信じて、悪い事は信じない、なんて自分勝手ができちゃうんだから。
一時期ブームになった「動物占い」は本当によく当たっていた。ブームに乗って登場した類似の占いに比べてもダントツに当たる。あれはいったいなんなんだろう。個人的に好きなのは「姓名判断」。なんでも画数を調べてしまう。で、吉数だとなんか安心。自分ではやらないし、見てもらうこともないんだけど「手相」はなんだか当たりそう。「血液型占い」はあまり信用していない。でも話のタネにはなるので、存在は否定しない。
この本は著者の鏡さんが占星術の専門科なので、主に占星術について書いてある。いわゆる星占い。私、星占いって具体的にどうやって占うのか知らなかった。だいたい、世の中の人間を12星座に分けて占うなんて、同じ星座の人はみんな同じ運命なのかい!?って突っ込みたくなってしまうのだが、実はそんなに単純なものじゃないらしい。はっきりいって、この本を読んで、占星術をちょっと見直した。で、ちょっと当たるかもしれないと思ってしまった。逆に、こんなの当たらないよ、と思う人もいると思うけど。
本格的な占星術は、生まれた日の生まれた時刻の星の位置で占うらしいのだ。まさにそれはその人だけのホロスコープ。で、たぶん、同じホロスコープを見ても占い師さんによって言う事は違うと思う。そういうのって、占い師の第六感というかヒラメキというか、そこで当たる占い師と当たらない占い師の差がでるんじゃないかなぁ。なんだかそういうところがいいのよね、占いって。
「タロット占い」は誰がやっても同じではなくて、熟練してくると当たるようになるらしい(と、大学時代にタロットにはまった友人が言っていた)。なんだかわからないけど、神秘な力が働くらしいのだ。邪念が入るとダメなんだって。こういうのって、タロットだけじゃなくて、どんな占いでもそうなんだと思う。
気になるのは、タイトルにもあるように、どうして占いは当たるのか。その前に、果たして占いは当たるのか、っていう問題もあるんだけどね。占いが当たるかどうかを科学的に解明しようとした人たちの話も載っていてなかなか興味深い。
どうして占いは当たるのか、そんなことはどうでもいいのだ。そこそこ当たればいいのだ。占いという存在でなんとなく心が晴れやかになったり、安心したり、話のタネにしたり、時間潰ししたり、楽しかったりすれば、それだけで占いの存在価値はある。それに、占いのメカニズムや歴史を知るのも面白い。ものすごく昔っから人間は占いというものをしてきたのだから、これからも続ければいいのだ。だから私はこれからも雑誌の占い特集号を懲りずにまた買ってしまうのだろうなぁ(あんまり当たらない)。 |