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ゴネリルとリーガン◆『リア王』 [2002年08月30日(金)]
リア王
シェイクスピア(著) 、福田 恒存(著)
新潮社
¥ 420
[文庫] 598hundredths-inches x 417hundredths-inches , 208P
1967-11 / ISBN:4102020055

小学生くらいの時に、子供用に書かれた『リア王』を読んで、なんとなく筋はわかったものの、子供には難しくて、ちゃんと理解はできなかった。まぁ、要するに、お父さん(リア王)が三人の娘のうち誰が一番自分のことを愛しているかを確認する訳だけど、口のうまいお姉ちゃん二人にうまく言い包められて、本当に父のことを思っている末娘を追放してしまい、結局は自分も落ちぶれちゃうという話。子供の頃は、ただひたすら「リア王」って変な名前だなぁという感想。だって、外国人の名前といえば、チャールズとかジェームスとかしか知らなかったし。「リア」ってどういう意味なんだろうってひたすら気になった記憶がある。今となってはどうでもいいけど。

で、ちゃんと大人用のを読んでみた。シェイクスピアの四大悲劇の一つだから、最後はハッピーエンドじゃないんだけど、そんなことすっかり忘れていて、なんとなく、最後にハッピーエンドになるような期待をして読んでしまった。だから、最後の悲劇的結末がちょっとショック。この話って、全然ハッピーエンドにできる話なのだ。むしろ、ハッピーエンドにして、みんなも気をつけようねって教訓的に終わった方がわかりやすいかも。でもそこはシェイクスピア。悲劇にしたところがまた深いのよね。悲劇なんだと思って読めばそれはそれで、奥深ぁい作品なのだった。解説によると、その昔には「リア王」ハッピーエンド版というのも実際に存在したらしい。やっぱり。

そうそう、お姉ちゃん二人はまんまとお父さんの領地を二分して受け取って、そのあと喧嘩するのだけど、それがまた色恋がからんでいて、それって子供用の本にはどうやって書かれていたんだろうなぁ。触れられてなかったのかも。そこが面白いところなのにね。

お姉ちゃん二人の名前がまたすごい。ゴネリルとリーガン。なんだか名前からしていじわるそう。末娘コーディーリアはかわいいのに。で、親思いなコーディーリアは冒頭で国から追放されて、フランス王に嫁いでしまうので、実は出番があまりない。最後の方でまた出てくるけど。この二人の濃いキャラのお姉さんは出番も多くて結構いい役かも。面白そう。

リアは自分の娘に捨てられて、荒野をさまようのだけど、そうなったときに、本当に国王に忠誠を尽くそうと思っている家臣とそうでない家臣と分かれる。しかし、どちらにしても、どうしてこの人がそこまで国王に忠誠を誓っているのか、いまいちよくわからないのだけど。ま、いいか。国王だから、という理由なんだろうな。

リアと娘の物語に家臣の親子の物語、姉たち夫婦の物語といろんなストーリーがからんでいて、複雑なんだけど、全体には一つの話になっていて、まとまっている。シェイクスピアの中でもこの話は好き。親思いのコーディリアが最後に殺されてしまうという終わり方がなんとも理不尽なんだけど、世の中の不条理っていうか、そういうこともあるよね、ってことで。世の中うまくいかないことの方が多いのよ。

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