だいたい、リチャード三世っていつの時代のどこの国の人? まったく前知識なしで読んだから、最初はさっぱりわからなかった。とにかく、登場人物が多い。しかもどんどん殺されてしまう。タイトルロールのリチャード三世も最初はグロスター公という名前で登場。ややこしいったらないのだ。
シェークスピアの中でも、この作品のことはほとんど知らなかったんだけど、最近上演された『天保十二年のシェークスピア』のDVDを借りて見てみたら、この作品の主人公がリチャード三世がモデルだった。極悪非道で口先三寸でライバルをどんどん殺して地位を手に入れる男。片足を引きずり、背中には醜い瘤、顔にはやけどの跡があるというとっても濃い役を上川隆也が演じていた。この作品、チケット取ってあって、観に行く予定だったのだけど、入院してしまってナマでは見れなかった。ナマで観たかったなぁ。脚本は井上ひさし。シェークスピアの全作品を盛り込んであって、かなりの長篇だったのを、演出のいのうえひでのり(劇団☆新感線)と鴻上尚史が刈り込んで短くしたらしい。でも上演時間は三時間以上。やる方も観る方も大変だぁ。
それで、なんだか面白そうなので、読んでみたというわけ。読み終わってから、巻末の訳者の福田恒存さんによる解題のところに系図が載っていたのに気付いてそれをよく見てみたんだけど、複雑すぎてさっぱりわからなかった。奥さんが、旦那が死んでから他の人に嫁いだりしていて、どれが誰の子で、誰と誰が兄弟で、誰が誰に殺されて、誰が王位継承者なのか・・・ややこし過ぎる。しかも同じ名前の人がいっぱい。時代的には15世紀の英国薔薇戦争の後期。私はこの時代のことも登場人物たちのこともほとんど知らない。ロンドン塔が政治犯などの幽閉場所にされたり、多くの王族貴族が処刑されたこととか、幼い王子二人が殺された悲劇なんてのはちょっとだけ知っていたけれど、詳しい史実は知らなかった。
巻末の解題と解説を読んでから再び読んでみたら、なんとなく全体の流れは理解できた。史実はともかく、このリチャード三世という人物は、役者さんがやりたくなるであろう魅力的な役だと思う。とにかく濃いし。策略陰謀はお手のもの。王位を手に入れるためになんでもやってしまう。あげく殺した人たちには恨まれ、亡霊となった人たちに恨みの言葉を投げかけられる。最後は殺されちゃう。壮絶。系図なんて理解してなくても、面白い。でもちょっとは歴史知っていた方がもっと面白いかも。
関連リンク:『天保十二年のシェイクスピア』
関連リンク:劇団☆新感線 |